『泥の河』 太宰治賞受賞
昭和30年大阪。川の河口で暮らす信雄は、近づいてはいけないと言われた、舟に暮らす姉弟と交流を持ちます。
『蛍川』 芥川賞受賞
富山の春から夏への季節の中で、中学三年生・竜夫の、父の死と初恋を蛍の美しい輝きとともに描いた物語です。
『優駿』 吉川英治文学賞受賞
北海道の小さな牧場に、1頭のサラブレッドが誕生します。オラシオン(祈り)と名付けられた仔馬は、順調に競走馬への道を歩み始めます。
『骸骨ビルの庭』 司馬遼太郎賞受賞
大阪・十三にある通称「骸骨ビル」。戦後の混乱期に住み着いた孤児たちを立ち退かせるために送り込まれた八木沢省三郎は、彼らの話に耳を傾けます。
『錦繍』
運命的な事件のために離婚した二人が、十年の歳月を経て、紅葉の季節に再会しました。
『ドナウの旅人』
母と若い愛人、娘とドイツ人の恋人が、ドナウの流れに沿って旅をします。
『花の降る午後』
典子は、最愛の夫を亡くし、神戸のレストランを切り盛りしています。ある日、店に掛けた油絵を貸してくれと、絵の作者・高見が現れます。
『海岸列車』
母に捨てられ、父の死後、兄妹は伯父に引き取られ成長します。二人は、伯父が経営する会社で働き始めます。
『海辺の扉』
『ここに地終わり海始まる』
6歳の時から療養生活をおくる24歳の志穂子。彼女のもとに舞い込んだ一枚の絵葉書が、奇蹟をもたらしました。
『オレンジの壷』
佐和子は、祖父の日記帳を見て、パリに旅立ちます。彼には、パリで生まれた娘がいました。
『朝の歓び』
妻を亡くした良介は、会社を辞めたことを子供たちに言わないまま旅に出ました。
『焚火の終わり』
係累を亡くした異母兄妹は、亡くなった人が残した謎から、出生の秘密を知ろうとします。
『草原の椅子』
50歳の会社員・遠間憲太郎が、母親に虐待されて育った少年らとともに、パキスタンのフンザへ旅する物語です。
『睡蓮の長いまどろみ』
順哉は、42年前に自分を捨てた母に身分を隠して会います。そして、ウェイトレスの千菜が、ビルから飛び降りる現場に遭遇します。謎が謎を呼び、ミステリアスに物語は展開します。
『約束の冬』
さまざまな出会いと別れ、運命の転変を経て、約束には、どんな意味があるのでしょう。
『にぎやかな天地』
船木は、日本の伝統的な発酵食品の本を作ってほしいと依頼されます。料理研究家とともに、日本各地の職人を訪ねるうちに、微生物の営みに心惹かれていきます。
『三千枚の金貨』
斉木は、5年前入院した時、末期がん患者から、不思議な話を聞きました。和歌山の山中の桜の巨木の根元に、三千枚の金貨を埋めたと言います。
『三十光年の星たち』
坪木仁志は、彼女に逃げられ、親に勘当された無職の青年でした。金貸しの老人、佐伯の運転手として、久美浜に向かいました。
『水のかたち』
東京の下町で暮らす50歳の主婦が、偶然、手に入れた骨董品から、思いがけない縁が繋がります。