『感染』 小学館文庫小説賞受賞
ウィルス研究医・仲沢葉月の夫は、外科医師で、前妻との間に5歳の男の子がいますが、その子が誘拐され殺害されます。このことをきっかけに、葉月は事件に巻き込まれていきます。
『流転の細胞』
地方支局に飛ばされた新聞記者・長谷部友美は、ネタをつかもうと話題の病院の赤ちゃんポストを張り込みます。そして見つけた赤ん坊をつれた女は、子どもなどいないはずの知人・石葉の姿でした。その後、石葉は姿を消してしまいます。また産婦人科医が、中絶胎児を胎児細胞移植の研究のために、第三者に渡していたことが明らかになります。友美は、特ダネかモラルかどちらを選ぶのでしょう。
『ししゃも』
川崎恭子は、商社をリストラされ、故郷の北海道に帰ってきました。若者は去りさびれた風景でしたが、水産試験場で虹色に輝くししゃもに出会い、町おこしに奔走します。
『逃亡医』
ドナーの予定者である心臓外科医の佐藤基樹は、自らがドナーになると約束した、肝臓移植手術を控える息子を残して失踪します。佐藤の元恋人に依頼されて、元刑事の鹿川奈月は捜索を始めます。
『逆転ペスカトーレ』
実家のレストランが大ピンチになり、フリーターの深山あきらは、店を手伝うことになりました。窮地の店を救ったのは、凄腕シェフの花井でした。
『鬼嵐』
女医・夏未は、東京から北関東の地元に戻ってきます。外国人労働者の増加が目立つ地元では、地元産の食肉で町おこしをしようとしていました。そんな時、謎の感染死が連続して起こります。
『極卵』
吉祥寺にある自然食品店で売られている卵は「極卵」と呼ばれる極上の卵でした。しかしこの卵を原因とする食中毒事件が発生します。
『終の棲家』
初のMBA取得者として新聞社に入社した麻倉智子は、記者としての能力は低いと言われていました。そんな時、独居老人の医療問題を追う中で、取材対象だった老人が次々と死亡してしまいます。
『処方箋のないクリニック』
医師・青島倫太郎は、患者と家族の人生を治療します。目が悪いのに運転を止めない父親、インチキ高額サプリにはまる母親など、様々な相談にアドバイスします。解説は、地域医療に携わる幸村百理男先生が書かれています。