佐々木譲さんの代表作・おススメ作品集
『エトロフ発緊急電』 日本推理作家協会賞受賞、山本周五郎賞受賞
1941年。日本海軍機動部隊が極秘に集結するエトロフ島に、アメリカの日系人スパイ、ケニー・サイトウが潜入します。スペイン内戦で革命に幻滅し、暗殺者となった彼は、エトロフ島で何を見たのでしょう。
『ストックホルムの密使』
第二次世界大戦末期、孤立無援の日本では、米軍による本土空襲が激化していました。スウェーデンの駐在武官・大和田市郎は、瀕死の日本にとどめを刺す連合軍側の極秘情報を手に入れます。それを軍上層部に伝えるべく、二人の密使が放たれます。
『武揚伝』 新田次郎文学賞受賞
幕府崩壊後、徳川家臣の一部は北へ向かい、榎本武揚のもと函館に蝦夷共和国を設立します。しかし、海峡を突破して新政府軍が上陸します。
『警官の血』
1948年。安城清二は、谷中の駐在所の警察官でした。が、火災にあった夜、謎の死を遂げます。その長男・安城民雄も父の後を追い警察学校へいきます。卒業後は、その血を見込まれて、新左翼運動に潜入するという過酷な任務を与えられます。
『廃墟に乞う』 直木賞受賞
北海道警察の凄腕刑事だった仙道孝司。現在は、療養中のため休職中です。だがその仙道に、次々と厄介な相談事が舞い込みます。
『地層捜査』
時効撤廃を受けて設立されたのは、特命捜査対策室です。たった一人の捜査員・水戸部は、未解決事件に挑んでいきます。
『代官山コールドケース』
川崎で起きた殺人事件で、遺されたDNAは、17年前、代官山で起きたカフェ店員殺人事件の「冤罪」の可能性を示していました。再捜査となった難事件に、刑事たちが挑んでいきます。
『ネプチューンの迷宮』
ダイバー宇佐美は、太平洋赤道直下の小国で、海中に沈むゼロ戦の引き揚げ作業をしていました。彼は友人の殺害をきっかけに、国際的な陰謀に巻き込まれていきます。
『勇士は還らず』
サンディエゴで、日本人男性が殺害されます。遺留品には、1969年サイゴンで起きた日本人爆死事件の切り抜き記事がありました。
『昭南島に蘭ありや』
昭和17年2月、日本軍が英国領シンガポールを占領し、昭南島としました。祖国を持たぬ青年は、帝国の臣民か、中華の民か、二つに引き裂かれながら、銃を手にしました。
『総督と呼ばれた男』
マレーの鉱山から身を起こし、シンガポールの暗黒街で「総督」と呼ばれ恐れられた日本人がいました。日中戦争から終戦まで、戦争に翻弄された男の物語です。
『ワシントン封印工作』
昭和16年、ワシントンの日本大使館に臨時雇用された大竹は、同僚の日系人に一目ぼれします。しかし、彼女は女スパイでした。
『屈折率』
安積は、元商社マンでしたが、実家のガラス工場の社長になります。工場は売却しようとしていましたが、ガラス工芸作家の女性と恋に落ち、しだいにガラスの世界に魅せられていきます。
『黒頭巾旋風録』
時は天保。蝦夷地では、武士や商人が民を苦しめていました。彼らの非道を許さぬと青年が立ち上がります。闇色の装束を身にまとい、駿馬を操り、ムチをふるい、つむじ風の如く駆けめぐります。
『ユニット』
少年に妻を殺された男と、夫の暴力に苦しみ家を出た女。偶然、同じ職場で働くことになります。少年犯罪と家族の在り方を問いかけています。
『天下城』
戸波市朗太は、軍師の弟子となり、戦国乱世を生きていました。が、師亡き後、運命に導かれて、近江の石積み、穴太衆のもとへ行くことになりました。
『北帰行』
卓也は、やくざへの報復に来日したターニャの逃亡に巻き込まれます。組長を殺されたやくざは、二人を執拗に追い、北への逃避行が始まります。
『婢伝五稜郭』
明治2年、函館戦争の最終局面。官軍によって凄惨な殺戮が行われていました。若き看護婦・朝倉志乃は、心を寄せる青年医師を殺され、戦士となっていきます。女であり敗者である志乃が見た歴史観が描かれています。
『回廊封鎖』
三つの殺人事件、被害者はみな消費者金融の元社員でした。処刑のような殺人を止められるのでしょうか。
『砂の街路図』
幼い自分を捨て失踪し、死んでしまった父。父の真相に近づくにつれ、過去を暴く権利があるのか、主人公は迷うのでした。
『警官の掟』
東京湾岸で、男の射殺体が発見されます。蒲田署の刑事が事件を追う中、捜査一課の刑事には、所轄より先に犯人を挙げよという密命が下ります。
『沈黙法廷』
初老男性が絞殺死体で発見されます。容疑者として家事代行業の女性が浮かびます。やがて、公判で無実を訴える彼女は、突然、黙秘に転じました。彼女は何を守ろうとしているのでしょう。